動脈硬化の抑制
梅干しはアンギオテンシンⅡという血管収縮性作用のあるホルモンの働きを調整し血圧の上昇を抑え動脈硬化の発生を抑制する作用があります。
また、血液中のコレステロールなどの脂質が増えると高脂血症になり、血管内で血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞を起こしますが、梅干しを食べることにより血液の流れがなめらかになり、発症を予防します。
動脈硬化の予防と改善効果
心臓には、冠状動脈という心臓に酸素と栄養を配るための動脈(血管)があります。この血管が詰まると「心筋梗塞」になり、息苦しさを感じたり 死亡することもあります。
右の写真をご覧ください。左側の写真は、健康な方の冠状動脈です。輪になったピンク色の部分が動脈で、中央の白い部分が血液の流れるところです。
右側の写真は、心筋梗塞で亡くなられた方の冠状動脈です。血液の流れる部分が少なく、この梗塞が原因で亡くなられました。
動脈硬化は生活習慣病と言われる病気です。いったん動脈硬化になると回復が非常に難しいため、予防には子供の時からの食生活や運動といった生活習慣が重要です。そこで、我々は梅の言い伝えである「動脈硬化の予防」を検証してみました。
(左)健康な冠状動脈
(右)心筋梗塞の冠状動脈
血圧と動脈硬化は連動していて、動脈硬化になると血圧が上がり、血圧があがると動脈硬化になるという悪循環をおこします。血圧を上げ動脈硬化を引き起こす原因として、アンギオテンシンⅡというホルモンが大きく関与していると言われています。
では、梅干でアンギオテンシンⅡの働きを抑制できるのでしょうか。
ラットを使った研究では、塩と水を与えるより、塩と梅のほうが血圧が低く、梅干に血圧の上昇を抑える働きがあることがわかり、また梅干は動脈硬化を引き起こすアンギオテンシンⅡの活性化が80~90%抑えられることが確認されてました。
梅肉エキスによるアンギオテンシンⅡを介した動脈平滑筋細胞のERKへの抑制効果